渦巻線香のご案内
千葉県柏市つくしが丘で仏壇仏具店を営んでいます。
金箔押し師の松川光伯平でございます。
今回は渦巻線香のご案内をさせていただきます。
お通夜や葬儀、法事、お墓参りなど故人に対してどうしてお線香をお供えするのでしょうか。
故人にお線香をお供えする事には仏教的な意味があります。
諸説ございますが、渦巻線香について紹介する前に故人にお線香をお供えする意味についてご紹介させていただきます。
故人のたべもの
人間は亡くなると再び別の世界へ生まれ変わるという「輪廻転生」から解脱を目指すのが仏教の教えです。
亡くなって次の生を受けるまでの四十九日の間を「中陰」と言います。
その期間は「香」しか食べることができないという『倶舎論』という仏教の経典に書かれています。
「少福の者は悪香を食し多福のものは妙香を食す」
とう文面があり
「不幸せな者は悪い香りを幸せな者は良い香りを食べる。」
とあることから故人のため良い香りをお香、線香をお供えします。
心身を清める
香(かおり)は古代メソポタミアやオリエント、エジプトなどで使われていてその後仏教の発祥の地であるインドに伝えられたと言われています。
インドでは暑さで悪臭が発生することが多く「香」はそのいやな臭いを和らげてくれることから、遺体を処理するときにも「香」を使用されるようになりました。
仏教ではお香、お線香を焚くことで不浄が払われ心識を清浄にすると言われています。
故人と繋がる行為
故人に対して「良い香りを食べ物として幸せに旅立って行って欲しい」と考えることはせめてもの供養、偲ぶ気持ちです。
「多福のものは妙高を食す」というのは、故人に思いを寄せ故人のために香を捧げる遺された人たちがいるという意味でもあります。
香を供える行為は遺された私たちが故人に気持ちを伝える、故人と繋がる行為だと思います。
渦巻線香の特徴と使い方
故人に良い香りを食べてもらうように線香という形で「香」を捧げるのが通夜や葬儀でお線香を焚く由来になりました。
アジアの国では渦巻き状になった「盤状香」という線香を見かけることがありますが、日本では仏壇やお墓参りで使用する線香はまっすぐで短いものがほとんどです。
しかし日本にも渦巻線香が葬儀の中で利用されることがあります。
渦巻線香の種類
◇渦巻線香と陶器の香炉台セット 1,980円(税込)
◇渦巻線香 各種 1,100円(税込)からご準備しております。
渦巻き線香はいろいろな種類がありますが大きく分けると糸がついていて吊り下げて使うようになっているタイプと糸がなく置いて使うタイプの2種類があります。
渦巻線香と通常の線香との大きな違いは燃焼時間です。
寝ずに線香の番をしなくても煙がとぎれることがない長時間の燃焼が最大の特徴です。
今から約100年ほど前に通夜から四十九日の間、お線香を絶やさないように長時間燃焼できるお線香にと発明されたものが渦巻き線香で、実は香の歴史としてはまだ浅いということがわかります。
燃焼時間について
燃焼時間の長さが渦巻線香の最大の特徴です。
1巻で10~12時間と長時間焚き続けることができます。
通夜の間中誰かが起きていなくてはならないということがなくなりました。
渦巻線香は1巻で12時間、2巻あれば1日保つというタイプが多いです。
渦巻き線香の正しい使い方
渦巻線香は普通の香炉ではなく専用の香炉を使います。
糸で吊り下げるタイプ、置いて使うタイプとそれぞれに香炉が異なるため使う線香のタイプに合った台を使いましょう。
糸で吊り下げるタイプ、台にセットするタイプで火をつけます。
渦巻線香吊り台 440円(税込)
渦巻き線香は一般的には四十九日までの間に使用するものとされています。
地域や宗派により使用が異なりますので地域のマナーに沿った使い方をしましょう。
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