お位牌について
千葉県柏市で仏壇仏具店を営んでいます。
荘厳佛具 松 川 箔押師 松川光伯平です。
お位牌の歴史
位牌は中国の儒教の神主、木主を起源としています。
鎌倉時代末から室町時代に、禅僧を通じて日本にもたらされたとされています。
それが中国化する仏教の中で取り入れられ日本に根付くことになります。
16世紀には庶民の間にも広まり、江戸時代には現代のように広く普及しました。
満中陰(四十九日)までは白木位牌を使用し、満中陰後に漆塗の位牌に代えることは儒教の影響を受けているとされています。
実はお位牌は仏教からというよりも儒教から始まったものなのです。
先祖の「霊魂を供養」するためのお位牌は同じ先祖観を持たないインド仏教ではお位牌は使用されていません。
お位牌の形式
お位牌にはいろいろな形式があります。
春日型・葵型・勝美型・猫丸型・呂門型・五十座吹蓮華型など。
ご来店いただきましたらご案内させていただきます(笑)
最近は「モダン位牌」と称して新しいカタチのお位牌が誕生しています。
戒名(法名、法号)
戒名とは、亡くなられた際にお寺からいただく名前のことで、これは仏様の弟子となった証という意味合いがあります。
仏教の本来の考え方では、戒名は生前にいただくものとされていました。
現在では亡くなったあとに戒名をつけていただくことが一般的になりました。
日蓮宗では法号浄土真宗では法名、呼ばれています。
戒名の付け方や使われる漢字は、宗派によって異なります。
例として、社会への貢献度やお寺への貢献度が高かった故人には、戒名の前に院号や院殿号といった称号を付けてもらうことがあります。
また、戒名の下に付ける敬称は故人の社会的地位や性別、年齢によって異なります。
浄土宗や日蓮宗、真言宗では戒名の前に宗派を表す梵字や冠文字を入れるケースがあります。
俗名
俗名とは、生前に使用していた名前、つまり私たちが普段使用している本名のことです。
位牌に俗名を記載する際には、裏側に記載することが一般的です。
命日
亡くなった年月日は昭和や平成、令和などの元号を漢数字で記入します。
年齢
亡くなられた年齢は、漢数字で記載します。
母親のお腹の中に宿った時点で生を受けていると考え、数え年で年齢を数えることもあれば、満年齢で記入することもあります。菩提寺に確認しましょう。
なぜお位牌は大切なのか
位牌の意味合いが理解できたところで、次は位牌の本質、必要性を考えていきます。
位牌は、故人の魂が宿るものとされています。
仏壇は、わかりやすく言うと家のようなイメージです。
宗派によっては故人があの世からこちらに帰って来た時のお家になります。
位牌は故人の魂が宿るものであるため、家に帰ってきたときにいつでも宿れるものがあるように、仏壇には位牌を安置しておく必要があります。
ですから、「故人の姿」だと思って大切にしなければいけないことはよくわかると思います。
本位牌の本質は、故人の霊を祀り、供養するための象徴としての役割を果たすことだと思います
- 故人の霊の宿る場所: 位牌には故人の霊が宿ると信じられており、故人の存在を身近に感じるための象徴です。位牌を通じて、遺族は故人の霊と対話し、敬意を表します。
- 供養の対象: 本位牌は家庭の仏壇や寺院の納骨堂に安置され、日常的に供養されます。お供え物やお線香を捧げることで、故人の霊を慰め、成仏を願います。
- 戒名や法名の記録: 位牌には故人の戒名や法名、没年月日などが記されています。これにより、故人の生前の行いを尊び、追憶することができます。
- 家族の絆の象徴: 位牌は故人と遺族の絆を象徴するものです。家族が一丸となって故人を供養することで、故人への敬意と感謝の気持ちを共有し、家族の絆を深めます。
- 精神的な支え: 位牌は遺族にとって精神的な支えとなります。故人が近くにいると感じることで、悲しみを乗り越え、前向きに生きていく力を得ることができます。
本位牌は、これらの要素を通じて、故人への敬意と感謝、家族の絆を象徴し、故人の霊を慰めるための重要な役割を果たしています。
お位牌には3種類あります
白木位牌(仮位牌・内位牌・野位牌)
白木位牌とは、別名で仮位牌や内位牌、野位牌とも呼ばれ、葬儀の際に祭壇に安置する位牌となります。
また、白木位牌は四十九日まで使用されます。白木位牌は、本位牌のように塗りが施されていないことが特徴です。満中陰(四十九日)が過ぎると、寺院や仏具店にてお焚き上げしてもらうことが一般的です。
満中陰(四十九日)までは大切な方を亡くしたことで精神的にも不安定な中で慌ただしくやらなければいけないことも多いです。
そのため満中陰(四十九日)が過ぎ、白木位牌をお焚き上げすることで一つの区切りをつけることになります。
本位牌
本位牌は、満中陰(四十九日)の忌明けを迎えてから、仏壇に安置されるものとなります。
満中陰(四十九日)が過ぎるまで、故人は死後どの世界に行くのか決まっていない状態です。
しかし、満中陰(四十九日)を過ぎれば故人は成仏したと考えられています。
成仏した証として、仮の位牌であった白木位牌から本位牌に変更するような風習になりました。
満中陰(四十九日)後はずっとこの本位牌を使用していくため、長く使える物を選択していく必要があります。
本位牌は四十九日忌までに絶対に準備しないといけないのでしょうか?
本位牌を四十九日忌(しじゅうくにちき)までに準備することが一般的ですが、必ずしも絶対にその期間内に準備しなければならないというわけではありません。以下の点を考慮するとよいでしょう。
- 宗派や地域の習慣: 仏教の宗派や地域によって異なる習慣があります。一部の宗派や地域では、四十九日忌までに本位牌を準備することが強く推奨されている場合があります。
※浄土真宗の場合はお位牌を用いません。
※大谷派(東)は法名軸・過去帳を用います。
※本願寺派(西)は過去帳を用います。
※真宗高田派はお位牌を用います。真宗高田派では親鸞聖人の教えを遵守しつつも、追善供養を完全に否定していないとされるためです。 - 家族の状況: 家族の事情や都合によっては、四十九日忌までに本位牌を準備することが難しい場合もあります。その場合は、家族と相談し、できるだけ早く本位牌を準備するように努めることが大切です。
- 仮位牌の使用: 四十九日忌までの間は仮位牌を使用することが一般的です。仮位牌は葬儀の際に使用され、その後本位牌に替えられます。仮位牌を使用することで、故人の供養が継続されるため、本位牌の準備が遅れても大きな問題にはならないことが多いです。
本位牌の準備については、家族や親族、菩提寺の住職と相談し、最適なタイミングで準備することが大切です。宗派や地域の習慣に従いながらも、家族の事情や都合を尊重することが重要です。
寺位牌
寺位牌とは自宅のお仏壇に御安置する位牌とは別に、寺院にご安置するために作られたお位牌のことを言います。
何らかの事情により自宅に位牌を安置できないケースや、永代供養を希望のケースなどで使用されます。
自宅で使用していたお位牌をそのまま使用したいなどの希望があれば、菩提寺に相談することでそのまま使用できるケースもあります。
お位牌の大きさや菩提寺の考え方によっては自宅からの位牌の持ち込みができない場合もあるため、まずは菩提寺に相談することをおすすめします。
お位牌のまとめ
- 位牌とは故人の戒名や俗名、亡くなった年月日や亡くなった年齢を記載した木札
- 位牌には、故人の魂が宿る意味合いがあるため、大切に扱う必要がある
- 位牌は、生前の社会貢献度やお寺への貢献度によって刻まれる文字が異なる
- 荘厳佛具松川では、仏壇仏具を数多く取り揃え、仏事全般のご相談も承っております。
- お近くまでお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。
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